ネキリムシによる玉ねぎの被害を解説!まだ地面の下に潜んでいる可能性がありますよ。
玉ねぎ畑での栽培において、「ネキリムシ」による被害は深刻な問題です。玉ねぎの根元を食い千切ってしまうこの害虫は夜活動します。
似たような行動をする「ヨトウムシ」もいますが共に根を食いちぎります。
「ネキリムシ」等による被害は野菜栽培における避けて通れない問題で、早期発見と適切な対処が必要です。
道具を使った駆除方法や忌避剤を使った方法を適切に組み合わせ、「ネキリムシ」被害を防ぎましょう。
ネキリムシとは?
ヤナガ類の蛾の総称ですが、その幼虫が野菜等に悪さをします。厄介な害虫でやっと伸び始めた野菜の苗の生え際辺りを切ってしまいます。
まず「ネキリムシ」の被害の兆候についてお伝えします。
玉ねぎの根元が食いちぎられたり、葉が土中に引き込まれている状態を見たら「ネキリムシ」がいると思って下さい。
土壌中に白い幼虫や成虫が発生している場合もありますので、注意が必要ですね。
これらの兆候を見逃さずに早期発見することが大切ですが、発見するのは難しいです。
玉ねぎがやられた
下の画面の玉ねぎは種から育てたもので、生育が遅いものをまとめて畝で育てていました。やっと3月に入り少し大きくなったので喜んでいたのですが。
今日、何気なくその玉ねぎの畝を見た時です。
苗が倒れている |
苗が倒れているのを見つけ、直そうとするとスッパリと切られています。やっとここまで育てたのにガッカリしました。
そのままにしない。必ず地中にいる。
「ネキリムシ」は倒した苗の根の近くに必ずいます。
夜に活動して根を切り倒して養分を吸ったりするのでしょうが、日中は寝ているのか地中の中で潜んでいます。
苗が切られていたら必ず掘ってみましょう。
私は移植ゴテで残っている根元辺りを掘ってみました。
すると一回目で何かが土の中にいるのを見つけました、それをすくってみるといましたね。
3、4㎝位の褐色の害虫、ヨトウムシです。
数匹いる時もありますので、くまなく探したのですがこれ一匹でした。
ところが幼虫を見ると気持ち悪いですが、苗の生え際を切る様な虫には見えません。鋭い歯が口の中に隠されている様です。
と言う訳で「ネキリムシ」と呼ばれています。
拡大しましたが、私には「夜盗虫(ヨトウムシ)」との違いが何処なのか分かりませんので見てみました。
ところが見分けがつかないんですね。
どちらも褐色で、時には緑色っぽい色をしていることあります。成虫になってもきっと判別は付かないと思います。
コガネムシの幼虫は白いので直ぐに分かりますが、「ネキリムシ」の判断はつきません。
上記の画像は今回被害を受けた害虫です。
ネキリムシはどうして畝にいる
成虫となった蛾が卵を植物の葉や茎に産み付けます。それが幼虫となり畝とかの地下に潜り込みます。
蛾は真夏に多く発生しますが、その頃の野菜に卵を産み付けるんでしょうね。トマトとかキュウリにも産み付けるんでしょう。
地下1㎝から5㎝位の所にいると言われますが、今回は玉ねぎの根元を切られましたから、まだ寒い3月でも浅い所にいるんですね。
近頃の高気温で動きが活発になったのでしょうか。
被害の兆候と確認方法
ネキリムシによる被害に兆候なんてあるんでしょうか。
苗が倒されて初めて気が付きました。
倒れているのを見かけたら先程の様に根元を掘って探し出すしかありません。
ネキリムシの発生時期
4月から11月ですが、ピークは5、6月と9月~11月の2回あると言われています。
①5月から6月
土の中で越冬しますが、その時は幼虫とサナギです。4月になると活動し始め、なんと5月には卵を産むそうです。
今回の被害は今月ですが、やはり気温が高めなんでしょうね。
②9月~11月
7月、8月になると「ネキリムシ」は再び卵を産みます。そのピークになるのが9から11月です。白菜等が被害に会うのはこの頃です。
綺麗な畑では「ネキリムシ」は野菜を襲うしかない
畑は雑草を取って何時も綺麗にしましょう。何て良く言われますね。
日本人は雑草だらけにしておくと、
「あそこの畑は雑草だらけで汚い」とすぐご近所の雀さんたちが暇つぶしの恰好な話題にします。
私も勿論、極力雑草を取って綺麗にすることを心がけていました。
借りていましたから綺麗に使うのが礼儀です。
広い畑では年に2回ほど深い穴を掘り、雑草や白菜クズを捨てていました。畑を肥やす事も出来ますし、それが普通だと思っていたんですね。
ところが「ネキリムシ」は地中から這い出して見ると、目に入るのは野菜の苗しかありません。
特に玉ねぎは雑草を嫌いますから仕方のないところですが、それが裏目に出ます。
「ネキリムシ」は地上に出ると玉ねぎしか無いので、それを食べるしかありません。
この虫は雑食なので本当は雑草を食べたかったのかもしれません。
ネキリムシの見つけ方
「ネキリムシ」は主に夜間に活動するため、夜間に玉ねぎ畑を観察すると見つけやすいでしょうが、その時間は普通の人は寝ています。
地道ですが移植ゴテ等で畝を掘り返して探すしかありませんね。
大変ですが、結構見つけた事があります。
その時はコガネムシの幼虫でしたが1㎡に100匹以上見つけました。始末するのに気持ちが悪くなった程でした。
「コガネムシ」の幼虫が2匹いたら、その畑は壊滅状態になると何かの記事で読んだことがありますが、大量に捕獲出来たせいかその後あまり見かけません。
見つけても1匹とかで、生き残りなんでしょうか。
地道な作業ですが、やたらと農薬を散布するよりは良いと思います。
ネキリムシからの被害防止方法
「ネキリムシ」は小さい苗しか襲えません。何故かと言うと冒頭にも書きましたが口が小さいです。
この辺は「夜盗虫」も「コガネムシの幼虫」も同じでしょう。
なので襲われるのは小さい苗の状態の時が主です。
実際今回被害に会った玉ねぎは小さいものでした。普通に成長している苗はもう大きくなりつつあるので被害はありません。
今のところはですが。
色々な事を考えて今までやってきました。数例ご紹介します。
トイレットペーパーの芯
これはたくさん用意できるので手軽ですが、野菜は食べる物なので抵抗がある人もいると思います。
- トイレットペーパーの芯を必要な長さに切る
- 縦に切り込みも入れておく 手を切らない様に気を付けてね。
- 苗の葉を折ったりしない様に見極めてトイレットペーパーの芯の長さを決める。最低5㎝位は必要
- それをまだ細くて小さい苗に切り込みを開いて被せる 茎の部分が隠れる程度が目安
- 下の方を1㎝程土の中に埋める
- 茎が太くなってきたら、慎重にトイレットペーパーの切り込みを開いて外す
一度、ストローでか細い茎を囲ってみた事があります。結果は同じで無事太くなりました。
ペットボトルを利用
陳皮をまいておく
- ミカンの皮を洗う(農薬が残っている可能性がある)。国産は農薬が少ないのでサラッと洗う程度で良いです。
- 雨の当らない日向に2、3日干しておく
- カチカチに硬くなったら細かく砕く
- それを株の周りや畝におく
陳皮をまきました。 |
荒起こし
今回被害に会った玉ねぎの畝は去年の秋からの続きです。なので苗が育っているのに荒起こしという作業は出来ません。
荒起こしをしたところでは作業中に2匹の「ネキリムシ」を確認している程度です。
他には
「卵の殻をよく乾燥させて砕いたものをまく」と効果があるとか、「粉唐辛子をまくのも良い」とかの記事も目にします。
皆さん「ネキリムシ」には苦労している様ですね。
まとめ
昨日まで元気の良かった若い苗が倒れていたら「ネキリムシ」の仕業です。蛾の幼虫ですが畑には様々な蛾の幼虫が多いです。
そもそもは雑草に卵を産み付けますが、雑草を取った綺麗な家庭菜園の畑には「ネキリムシ」の食べ物は野菜しかありません。
しかも、口が小さいので若く伸びてきたばかりの苗を狙うようになります。
雑草と共に野菜を育てる方も多いですが、玉ねぎの場合は雑草を嫌うと普通に言われていますから、自然農法ではどうなんでしょう。
それでも、寄せ付けない対策や駆除する方法は幾らもあります。
例えばですが
- 寒冷期に荒起こしをする 害虫を凍死させる為
- 苗を守る道具を作る トイレットペーパーの芯、ペットボトルやストーローで若く細い苗の茎を守る 「ネキリムシ」は登れないらしいので茎を守れる
- 陳皮や害虫が嫌がる忌避剤をまく